てぃーだブログ › なおす人(なおすんちゅ)日記
2017年8月、ブログを引っ越しました。 そのため全てのページのURLが変更されてます。 他、自作プログラムのミス? により削除されたページが有ります。 

2018年06月07日

リゾートホテルの「施設管理」っていう生き方の話!



僕は補修屋という仕事をしていて、いろんな人と出会っています。
中でも楽しそうだなと思ったのが、リゾートホテルの「施設管理」っていうお仕事。

ある程度の大きなホテルでは「施設管理部」という部署があります。

それは都会のホテルでも、リゾートホテルでも普遍的で、建物や施設の維持管理に必要な仕事。

例えばプール掃除のタイミングを業者に発注したり、壊れた門やドア、カートをなおしたりペンキを塗ったり、台風に備えて館内各所を補強して泊まり込んだり、ホテルによっては植栽の管理も任されます。

注:写真は過去フォルダーからの適当なイメージ画像です。


リゾートホテルだと5~7人くらいは普通で、皆、手先が器用で工作好きな人の多い印象です。だいたいの館内の維持修理作業は「施設管理」で完結しますが、大理石のテーブルの破損やテーブル(タバコの)焼け焦げなど特殊な作業は、僕みたいな「補修屋」に発注が来ます。

僕も器用な人とは普通に話が合うし、彼らも特殊な技術を持った補修屋に興味を持ってくれてるので、休憩などの時間にいろいろ情報交換してるんですよ。

中でも、楽しく聞けるのが、古くからいる「名物オジイ」とかの話。

○○さんてオジイがいてさ、何十年も前から働いてて館内のすべて知ってるんだよ。
ある壁を塗装するとなったら「必要な塗料は○キロで3人で1日だな」とか言うと、そのとおりに仕事が終わる。
「東のプールの目地の入れ直しは5人で1日」など、必要な道具の手配を含め、あらゆる仕事に精通していて、まるでこの仕事の生き字引だった。
定年退職してしまったけど、アルバイトで来てもらって、5年くらい助言をもらってたんだよ。


こんな話を聞くと、素敵だなーと思えます。

僕は一人っきりで「補修屋」という仕事してるけど、経験がみんなに伝えられて、仲間と大勢で仕事していた「施設管理部の名物オジイ」は幸せだったろーなと‥。そんな生き方もいいなと。

それも沖縄のリゾートホテルで毎日変わる海の景色を眺めながら‥。

ふとたまに、自分にできなかった生き方を、うらやましく思ったりもするんですよ。


  


Posted by IGU at 20:37 Comments(0)ひとりごと





2018年01月31日

マンション・玄関ドアの全塗装!

僕は 「 補修屋 」 という仕事をしています。

おもに新築や中古マンションの室内の傷を修復するお仕事。 それ以外にも、頼まれれば可能な範囲で受けおっています。

さて、今回はマンション玄関ドアの全塗装。

玄関ドアのへこみ
凹みやサビが出た玄関ドア

これって職種としては、ペンキ屋さんの仕事になるのでしょうか‥? 
でも出張してドアを塗り替えてくれるペンキ屋さんって、聞いたこと有りません。

ほかに思いつくのは自動車板金屋さん。こちらも出張は難しそうですね。
意外と、プロを探すのが難しい作業ジャンルかも。 

※今回の作業内容は、どちらかと言うとリフォーム。一般的な補修屋の対応外かもです!


ところで‥。 補修屋の場合 「 その場で塗料を調色して同じ色を再現できる 」 のが技術的なスタンダードなので、塗装のテクニックを重ねて持っていれば作業できる範囲や可能性は広がります。

僕は基本的に人工+技術料+材料費で受けているので、本職より安い場合が多いかもです。(高い場合も有り)


というわけで、作業の話に戻ります。

沖縄は台風が多いせいか今回のドアは、あちこちに凹みが有って、しかも塗装が紫外線で劣化してサビが発生していました。

写真で見積りした時は鉄ドアかと思って覚悟していきましたが、確認したらステンレス製だったので、サビの進行は表面だけです。

玄関ドア修理玄関ドアをガン塗装

いったんサビを全て落としてから、ヘアライン処理。
自動車板金と同じようにパテで整え、下地処理してガンで全面塗装。

板金修理と同等な耐久性レベルの2液塗料を、現地で調色して同じ色で再現しています。

玄関ドアの一部塗装色を乗せて塗ったのはドア全体の半分くらいで、元からあったマーク等はそのまま。 後からクリアを全体に吹いてます。


なお、今回の現場はマンション最上階の1フロア独占の環境だったので、周囲への対策が少なくて助かりました。

低層階だとまわりの車にカバーを掛けたり、臭気や粉塵についての事前説明等、近隣への配慮や準備が大変かと思います。

他に小動物などのペット。 ‥特に小鳥はシンナー臭が危険で、もし死なせてしまうと賠償問題になるかもしれません‥。

※僕は個人からの依頼が多いので、受注時に必ず乳児やペットの避難についての注意をお願いしています。

塗装の終わった玄関ドアちなみに以前、団地のドア塗装を頼まれた時はローラー塗装で対処した覚えが有ります。住宅密集地では、ガン塗装は条件が整わないと難しい工法です。

作業をしたのは沖縄の夏日で、塗料の乾きが早く、シンナーの調整に気を使いましたが、これは慣れですね。

あと作業に何日かかけて、研磨して塗装‥を繰り返せば自動車のような鏡面になりますが、屋外の風の中の一発勝負では、このくらいの仕上がりが精一杯でしょうか。

玄関ドアのキズが気になっている方は、台風シーズンが始まる前に、沖縄リペアまでご相談下さいね。


 
  







2017年10月06日

大理石の染み抜き! (マスキングテープ)



わりと知らない人が多いのですが、マスキングテープの粘着剤って、よくトラブルを起こします。

学生の頃、ノートや教科書に貼ったセロハンテープが縮んで跡が残った経験、誰にも有ると思いますが、建築現場でも同じことが起こります。

特に多いのが、コンクリート打ちっぱなしの壁。
工程表などを張り付けて、工事が終わって剥がしたらシミになってたとか‥。
現場を知らない監督が、よくヘマします。

大理石もそうですが、一週間もテープを貼っていると、もう手遅れ。
特に青いテープがひどいかなー。



今回の依頼は、玄関の框の大理石に付いたシミ。
工事中に傷を付けないようカバーを止めていたテープから糊が染み出たようです。



薬品をシミに塗って加熱していきます。



こういったシミは、糊が石材内部に浸み込んでいるので、シンナーで拭いても変色は取れません。
専用の薬品や洗剤、そして知識が必要です。(僕はもともと、石材専門の補修屋)


何通りか手法が有るので、現場で複数を試してみます。
うち、一つの方法が効果的だったので、回数と熱をかけてシミを抜いて行きました。



左:染み抜き前。 赤線は同じ模様と傷を示しています。 /右:染み抜き後。



また、シミとは別に、濡れたような変色部分も指摘されていたので、そちらも対処。
※石材やコンクリートは濡れると黒っぽく色が変わります。 専門用語で「濡れ模様」と呼ぶ、暗く変色した状態。

こちらは簡単ですが、強い薬剤を使うので、石を痛めないようサックりと‥。





だいたい数時間で、2種類のシミは、ほぼ分からなくできました。

対処が早ければ早いほど、染み抜き作業の効果は高いので、気が付いたらすぐに石材専門の補修屋さんに連絡してくださいね。

僕が前にいた「キハラシステム」がお勧めです。

  


Posted by IGU at 18:26 Comments(0)大理石の補修





2017年09月10日

応接テーブル補修、メラミン貼り付け!

商談や打ち合わせに使われる会議室のテーブルや応接セット。
こういった高級家具の補修についても、依頼は結構多いです。

水で膨らんだMDFふやけたMDF家具

今回のトラブルは、お茶をこぼしたり雑巾でテーブルを拭いた際の 「 水分 」 が原因のようです。
問い合わせの画像を見ると、テーブルの端が水を吸って膨らんでいました。

なんにせよ、応接ルームの劣化は、企業としては心苦しいですよね‥。


このような膨らみも、一般的な補修のテクニックで切削・造形・塗装し木目を描けば、目立たなくすることは可能です。
しかし、今後も同じような使用(運用)方法なら、また他の箇所が再び膨らんでしまう可能性が高いです。
なおした意味が無いような仕事を、僕は好みません。

そこで、表面を1mm削って、特殊な木目調のメラミン板を張り込む手法を提案して、ご理解頂きました。


NDFテーブル現場で作業を開始すると、案の定、下地はMDF(圧縮ボール紙)。
これは水を吸うと膨らんで元に戻らない素材。
一般的な分譲マンションやアパートのドアや巾木の8割以上はこの素材だし、組立家具等もほとんどMDFです。

コレ、均一で軽くて安く表面処理次第で高級感も出せるので便利な素材。
ただし、水と傷には弱いという欠点は知っておくべきでしょう。

さて、キッカリ1mm分の厚みを削るって、難しそうですが、現場で思い付いたのが写真の方法。

このブログで作業工程を書く事は珍しいですが、せっかく ( 単なる思いつき ! ) なので公開しておきますね。
僕と同じような仕事の受け方をしている人にしか役に立たないと思いますが‥。

MDFテーブルをカット
左:キッカリ1mm刃先を出したカッターで縱橫に切り込み。 / 右:スクレーパーで表皮を剥がします。

手法はカッターで均一な深さに切り込みを入れ、その切り目が見えなくなるまで表面を削っていくという方法です。 (後に機械研磨して均一な平面を出しています)

思いつきだけど多分、「これしかない!」というでしょう。

テーブル傷補修下地塗装
左:テーブルの外周部にもカフス等で付けられたキズが多数有りました。 / 右:キズ補修して塗装。

研磨で平滑を出した後、今後の水対策として全面に特殊な塗料を染み込ませ、乾燥後に再研磨。
周囲の細かい傷も補修して、お客様に選んで頂いたメラミン板を貼り付けで終了です。

再生した応接テーブル

これで以前よりも表面強度が上がり、水で膨らむ心配も無くなったリフォーム・テーブルの完成です!


   







2017年06月28日

外人住宅、破壊された室内ドアの修理!

今回は室内ドアの修理の話。

室内の家具やドアなどの修理の事を、僕らは普通「補修」という呼び方をするのですが、今回は「修理」かなぁ。

‥と、いうのも写真のように室内ドアの中央部が破壊されていました。 とある外人住宅です。
まるでバーサーカー(狂戦士)でも暴れたようです。 ちょっと血が付いていたので画像はボカしておきました。



壊されたドアの中央部分。 一部、ボカシてあります。

幸い、ドア自体の強度には影響無さそうだったので、補強しつつ修理をして行きます。


左:壊れた破片や、内部のハニカムの構造材を取り除いて掃除。 / 右補強をしつつ形状を復元して行きます。

最近のドアは、国産/輸入品とも、内部は空洞やハニカム(蜂の巣状)構造になっている物が多いです。
表面は完全に木目の浮き出た木に見えるのに、実際はボール紙をプレスして木の模様を印刷した仕上げです。
なんだか安物のような気がしないでも無いですが‥。

でも本物の天然木のドアなど、子供とかには重いし、挟まると危険です。
軽くて使いやすい、現代の技術で作られた安全なドア。 ‥と、言い換えたほうが良いかも知れません。
(あちこちのコダワリの個人住宅の現場とかで、ひたすら重いドアとか、よく見かけます。正直、住みにくそう‥)

工程上、中のハニカム構造(紙製)は邪魔なので取り除いて、しっかりと開口部の補強をしつつ、形状を復元していきます。



補修前。




補修後。



写真では分かりにくいですが、表面の木目の凹凸も再現して有ります。
また、元のドアが水性塗料で塗られていたので、水性塗料を調合し、同じような色ツヤを再現して補修箇所のみ塗っています。


左:補修前、貫通したドア裏側の割れ。 / 右:補修後。


以上、今回は壊れた室内ドアの修理でした。


補修屋のお仕事は、壊れた箇所のみを最小限、最短の時間で分からなく仕上げる事です。

構造自体の破損・腐食など「一部だけの破損」で無い場合は大工へ、壁紙は様々な色柄の在庫を持っている壁紙屋へ、それぞれ専門の職人もいますので、問い合わせる際は区別して下さいね。


   







2017年06月18日

タイル目地の着色補修

目地塗装
塗装のイメージ画像。 (実際には周囲の石材を汚さないよう対策して施工します)

とある施設からの依頼。
壁のほぼ全てが大理石(マーフィル系)貼りの高級な作りの施設なのですが、タバコのヤニで目地が茶色くなっています。

石材の部分は拭き掃除でキレイに出来ますが、目地は洗剤とブラシで擦るとか物理的に洗浄しないと汚れは落とせません。
汚れは年月を感じさせるし、みすぼらしく見えてしまいます。

かといってモルタルの目地を削って埋め直すのは大仕事です。

なんとかならないか相談された時、ふと思い出しました。
「ホームセンターで、目地の着色剤が売ってたなー!」

そう、目地に色を塗ってしまえば簡単に解決できます。
補修屋の僕は塗料を自在に調色できるので、現場の大理石に合わせて色のサンプルを作り、何種類かの塗料でテスト施工してみました。

その結果を担当者が上司に上げて、無事に決済が下りたので、本施工。

規模が大きかったので仲間の職人数名に手伝ってもらい、3日ほどで終わらせました。

目地の補修モルタルで目地を修理
目地の欠けた部分は専用のモルタルで埋めてから着色しています。


目地の補修サンプル

上の画像は、報告書用に、イメージが判るよう一部を残して目地塗装しています。

こうしてみると、目地がキレイだと、まるで新品に見えますね。
なお調色した塗料は、今後の補修用に瓶に小分けして、担当者に渡しておきました。

今回のような仕事は補修屋の範疇ではないけど、頼まれてみれば得意なジャンルです。

「 見た目を整える 」 事に特化した補修屋という仕事人がいること、困ったときは思い出して下さいね!

  







2017年01月25日

明るくて色の良い、小型作業灯が有ると便利な件!






建設中の工事現場なと、照明が無い場合、自分で明かりを用意する必要があります。

普通は蛍光灯や電球の作業灯を持ち込みますが、カバーが有っても割れやすいのと、荷物が増える難点が有りました。

そこで、自作の超小型LED作業灯を作ってみた次第。
演色性はRa90と「そこそこ」の性能ですが、軽くて落としても割れず、持ち運びに便利な照明です。


作り方や部品の入手先は、趣味のブログの方で紹介しているので興味の有る方はご一読を!
⇒ 高演色LED作業灯を作ってみた! (Ra90)





   

Posted by IGU at 21:53 Comments(0)ひとりごと